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トイカメラ


トイカメラとは、もともと中国やロシアなどで大衆的に広く使われるようにと安価な素材で簡素化されて作られたおもちゃ(トイ)みたいなカメラです。 チープな作りが原因で同型でも写りが異なるなど品質にばらつきが多くみられ、撮影すると現実とかけ離れた写真となることも少なくありません。デジカメプリントとは違い、その時その時で、予想もできない写真に仕上がるのがトイカメラの特徴であり、人気の秘密です。


多くのトイカメラはプラスティックレンズを採用しています。ガラスレンズのようにハッキリとした写真は撮れませんが、その不思議な写りがトイカメラの魅力のひとつです。プラスチックレンズの特徴は、全体にぼんやりした感じの写真になります。写真の中央部は割とシャープにピントが合ったように写ることが多いですが、中心から外に向けて画像が流れたようなぼやけた写真が撮れます。また、ガラスレンズより透明度が低く、光がレンズを通過する際に失われる光も多いため、暗いところでの撮影は光量不足になり綺麗に撮ることができません。


トイカメラで撮った写真で、もっとも特徴的なのが 「トンネルエフェクト」と呼ばれる効果です。トンネルエフェクトとは、写真の周辺光量が極端に落ちて、まるでトンネルの中から写真を撮った写真のように見える効果のことです。別の呼び方では「ケラレ」とも呼ばれる現象で、普通はカメラやレンズの欠陥とされています。それをあえて「トンネルエフェクト」というポジティブな画像効果と考えるところに楽しさがあります。


他にも、ビビッドな発色が楽しめたり、連写・分割ができたりと、さまざまな特徴を持つのがトイカメラです。ストロボの色を赤・青・黄色に変えられるカラーフラッシュが付いていたり、魚眼レンズのFisheye(フィッシュアイ)カメラ、自分で組み立てるプラモデルカメラ、ほかにも多重露光やピンホールショットが可能なカメラなど、多彩な機種が続々と展開されています。



■HOLGA (ホルガ)

トイカメラの定番ともいえる HOLGA 。その歴史は古く、1982年に香港で生まれ、 中国の労働者階級の人々が日常生活を記録することを目的に、安価で大量に販売されることを目指していました。 そのプラスチックボディーは、買ってきたまま使用すれば光漏れするのがあたり前という、 今のカメラと比べたらあり得ないチープさですが、それが逆にベッタリとした平面的な味のある写真が撮れる不思議カメラです。


シャッタースピード絞りは固定(公称:1/100秒,F8)なので、露光量はその日の天気とフィルム感度で決まります。もともと6×6/6×4.5判カメラですが、専用のフィルムホルダーで、35ミリフィルムで写真を撮ることもできます。


鮮鋭でないピント、周辺部の光量不足、像の流れや二重像、収差の激しい描写、さらに不完全な遮光による感光などにより、普通のカメラでは考えられないほど低画質な写真が生みだされます。それでも、なぜか不思議な雰囲気を持つ写真ができたりもします。その一風変わった写真は皮肉なことに国際的なカルト的人気を高め、トイカメラの愛好者や芸術家などに強く支持されています。

HOLGA


LOMO

■LOMO(ロモ)

HOLGA(ホルガ)と並ぶトイカメラの代表的存在! 特に1970年代から1990年代初頭にかけて作られ、すでに製造が終了している「LC-A」「Smena」などのデッドストックやユーズド品がカメラファンから熱い支持を受けています。 特に「LC-A」は『全ての風景をいとおしく変換する秘密の箱』と称されるほど、独特な描写とずんぐりしたフォルムが熱烈な愛好者を全世界に増やし続けています。


「LC-A」は1983年に発売された自動露出の35mm判コンパクトカメラで、当のロシアでの人気は今ひとつだったらしいのですが、ヨーロッパのアーティストを中心にカルトな人気を得ています。カメラの外観は日本のカメラメーカーCOSINAが製造していた CX-2のコピー。


LC-Aの描写は一台一台微妙な違いがあります。これは生産ラインにおける品質が安定していないためだといわれています。またレンズ設計上の欠陥から画面周辺に極端な光量落ちが見られますが、これを「トンネル効果」と呼び、ロモ独特の味だと評価する向きもあります。自動露出はしばしば不安定で、撮影者に意図せざる結果をもたらすことが多くあります。単に「写りが悪い」とは片付けられない、その味のある描写には、今日でも多くの愛好者がいます。


LOMO

LC-Aのほかにも、スメナというシリーズの中で、特に人気と定評のあるカメラが「SMENA 8M 」通称スメハチです。その人気の理由は、見た目やつくりのチープさとは裏腹な「T-43」と表記された40mm・F4のレンズ。トイカメラとは思えない写りの良いレンズです。


また、カメラで撮る楽しみを存分に味わえるフルマニュアルという点も魅力のひとつです。 露出シャッタースピードの設定から、フィルムの巻き上げ、シャッターチャージも自分で都度行う必要がありますが、これらは同期していないので結構面倒です。ただその反面、シャッターチャージだけを行えるということは、多重露光写真が簡単に撮れるということで、そういった表現を多用したい人には便利で面白いカメラになります。



■ Vivitar ULTRA WIDE&SLIM

アメリカを本拠とするカメラの卸や自社製造カメラの販売を行う多国籍企業「Vivitar」のロゴが入ったコンパクトプラスチックカメラ。 HOLGAよりもコンパクトで扱いやすく、LOMOよりもリーズナブルなカメラです。


この手のコンパクトカメラには他に類を見ない、f=22mmという超広角のプラスチックレンズの描写が、トイカメラユーザーの心をつかんだ人気のトイカメラです。 22mmの超広角レンズの迫力と、シャープでありながら周辺光量落ちを実現する発色の良いプラスチックレンズが、クリエィティブな感性を刺激します。


わずか75gという軽さ(フィルム未装てん時)は、常に持って歩くのにもってこい。 いつでもどこでもトイカメラを楽しみましょう。

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